「事務所のサーバーが古くなってきたので、クラウドにしたい」「テレワークで家から会社のファイルを見たい」。クラウド移行の相談は、この2つのきっかけがほとんどです。
移行そのものは難しくありません。失敗するのは、移す前に決めておくべきことを決めずに始めたときです。この記事では、その5つを順番に説明します。
何が大変なのか
社内サーバーや共有フォルダを長く使っている会社には、共通する状態があります。
- 誰が作ったか分からないフォルダが何百もある
- 「最終版」「最終版2」「本当の最終版」が並んでいる
- 退職した人のフォルダがそのまま残っている
- バックアップを「取っているはず」だが、戻せるか試したことがない
この状態のままクラウドに移すと、散らかった部屋をそのまま新居に運ぶのと同じで、何も良くなりません。
解決策:移す前に決める5つのこと
1. 誰がどこを見られるか(権限)
「全員が全部見られる」状態を、クラウドで続けてはいけません。経理・人事・顧客情報のように、見られる人を限定すべきフォルダを先に決めます。Google WorkspaceやMicrosoft 365は、フォルダ単位で権限を設定できます。
2. フォルダの階層と名前のルール
「部署 > 年度 > 案件」のように、階層の考え方を1つに決めます。ファイル名も「日付_内容」など、誰が作っても同じになるルールにします。ルールがあれば、退職者が出ても引き継ぎが楽です。
3. 移す順番
いきなり全部を移さず、まず1部署か1業務で試します。1〜2週間使ってみて、問題がなければ全社に広げる。この順番なら、業務を止めずに移行できます。古いファイルは「参照用」として別に置き、日常的に使うものだけを整理して移すのがコツです。
4. テレワークの安全対策
家や外から会社のファイルが見られるということは、パスワードが漏れれば誰でも見られるということです。多要素認証(スマホでの確認)を必ず有効にし、私物端末から見る場合のルールを決めておきます。
5. バックアップの考え方
クラウドは壊れにくいですが、「間違って消した」「上書きした」は起きます。バージョン履歴で戻せる範囲と、別途バックアップを取る範囲を決めておきます。
費用感
Google WorkspaceもMicrosoft 365も、1人あたり月額1,000〜1,500円程度から。10人の会社で月1万〜1万5,000円です。古いサーバーの保守費や買い替え費用と比べると、多くの場合で安くなります。
BULLCOM DXのクラウド移行支援は、環境の選定・アカウント設計・データとメールの移行・権限設定・テレワーク環境の整備までで、110,000円(税込)からが目安です(アカウント数・データ量により変動)。
まとめ
- 移行の失敗は「移す前」に決まる。散らかったまま運ばない
- 権限・フォルダのルール・移す順番の3つを決めれば、業務を止めずに移行できる
- テレワークを始めるなら、多要素認証は必須
サーバーの入れ替え時期が近い会社は、買い替える前に一度ご相談ください。クラウドにしたほうが安くて安全なケースが多いです。パソコンの入れ替えや古い機器の処分も、グループでまとめて対応できます。
